美空ひばり・長嶋茂雄・石原裕次郎・昭和のスター達

時代が違えば単純な比較はできないのですが、昭和のスターって正にスターと言える存在だったと思いますよね。国民全員が知っていて、国民全員がスターって認めるスターが確かに存在していたという意味でですね。例えば芸能で言えば美空ひばり、野球で言えば長嶋茂雄、王貞治、プロレスの力道山、みたいな存在です。現代にそういう存在を見つけるの難しいと思います。それも昭和という時代の一つの特徴なのではないかと思います。みんなが同じ方向に向いていたから楽しむものや嗜好なども同じだったのではないでしょうか。ある意味幸せな時代ですよね。

もちろん初めに話したようにそれは単純に比較できるものでは有りません。メディアが未発達であった事や、生活の中での楽しみが限られていた事や家族構成なども関係してくるでしょう。現在のように多くのメディアから多くの情報が発信され、芸能・スポーツのジャンルも多角化され、人々の生活も多様化された現代では、個人の嗜好に合わせた娯楽が提供されてますので、国民的スターというのは生まれにくい環境になっているという事が大きく影響していると思います。

テレビを付けたらジャイアンツ戦、プロレスで力動山が戦っているという時代ですから、みんな応援してある意味当たり前ですよね。長嶋茂雄選手はいろいろなエピソードで有名ですが、やはりファンサービスに徹していたというのがあそこまで大スターになった要因ではないでしょうか。試合が負けたり、チームが低迷している時でも長嶋のプレー見たさに球場に行ったり、テレビをじーっと見ていたりしていました。打つだけでなく、守備一つとっても華麗な感じがして、後々の回想で簡単な内野ゴロでもわざとちょうど間に合うようなスピードで走ってたりしていそうですよ。「魅せる」という事をわかっていた人だったんですね。

長嶋選手の引退スピーチも印象に残っている人が多いのではないでしょうか?{巨人軍は永遠に不滅です。」という有名な言葉を昭和で一番印象に残っている事として挙げ、あの瞬間に一つの昭和が終わったと感じた方も多いようですね。力動山も間違いなく、スターと言える1人でしょう。空手チョップで外人レスラーをバタバタとなぎ倒していく姿は、まだ自信の持てなかった日本人に大きな勇気をもたらしてくれました。プロレスがショーという部分も有るという事を知らなかった私なんかは、八百長かどうか良く友達と議論をしたものです。

スポーツ界でも昔のスターは、なんか今より懐が広い感じがしますよね。ゴルフ界の青木功やジャンボ尾崎、プロレスのアントニオ猪木、ジャイアント馬場、柔道で無差別級でオリンピック金メダルを量産した山下泰裕なんかは文句なしにスターでした。オリンピックという公平な競技の場で体格で不利な日本人が無差別級で金メダルを取る姿は日本人全員の心を打ちました。今ではなかなかそういう選手は生まれないよう気がします。

芸能界でも、石原裕次郎、美空ひばり、北島三郎、高倉健などスクリーンを彩ったスターはちょっと違う人種のような気がしました。私生活も謎に包まれている人も多くてそういうところもスターに魅せていた秘訣かもしれません。