高度経済成長とは、いわゆる国民総生産(GNP)を指標として、その成長率を表すのが、経済成長なのですが、その成長率が著しい状態の事を指します。年率2%の成長率以上があれば高度経済成長と言えるのですが、日本の奇跡と言われた高度経済成長期は10%以上の成長率が有ったのでそれがいかに衝撃的であったかがわかります。とはいえ、日本だけがその時分、高度経済成長を果たしたわけでなく、世界的にも資本主義国を中心とした高度経済成長期でもあったのです。
まずその世界的背景から見ていきましょう。世界的な高度経済成長は、1940年後半、第二次世界大戦が終了してから1970年くらいの30年間続きます。その要因としては、まず第一に世界大戦の終了が有ります。戦争景気というのも有りますが、結局は一時的な物に過ぎず、継続的な物では有りません。大戦を経験し、世界中が戦争に飽き飽きして、平和的な発展を望み始めたという事が大きな要因としてあります。それまで他国に侵略し領土を増やしそこから富を奪う事で自国の発展に繋げてきたところから、国内での経済成長による発展をしていこうという方針に方向展開をしたのです。
国の財政を軍隊から国内の産業成長に転換させたことが経済成長に繋がった訳ですね。また戦争が無くなった安心感から人々が自分たちの生活を豊かにしていこうという方に目を向けたという事も影響しています。そして次に工業の発達により、産業構造の変換というものが有ります。良く言われるように第1次産業(農業・林業・水産業など)から第2次産業(工業)・第3次産業(サービス業)へ産業の中心が変わってきたという事です。この変換がもたらした影響は非常に大きく、世界構造や人々の生活を大きく変える事になります。
まず労働集約型の工場ができるとその工場周辺に人が集まるようになり、都市が出来上がります。今まではその土地で取れるものを中心に産業が成り立っていた、第一次産業を中心とした社会が、工場を中心に街ができあがる形にシフトしていきます。このシフトは非常に大きな変換をもたらします。工場を中心とした街は更なる効率を狙い、新しい工場を近隣に作り、それを元に人が集まっていきます。こうして都市が形成されていくのですが、その都市で必要な物を製造する為、また工場がどんどん建設されていきます。この好循環が高度経済成長を生むのです。
日本の高度経済成長も非常に大きなものでしたが、なんといっても当時の資本主義による大量生産・大量消費の主役はアメリカでした。日本は敗戦によりどん底に落ちましたが、その後30年くらいで世界第2位の経済大国に上り詰めたのはアメリカによる占領から資本主義への導きが有った事は否めません。また世界の警察と言われたアメリカの軍事力の傘の下で経済成長に邁進できたという事実もやはり否定できないものです。
昭和39年に池田内閣が誕生すると池田首相は国民の所得を2倍にする所得倍増計画というのを全面的に打ち出します。そして日本の経済に弾みを付け、国内中が投資を行うように仕向けたのでした。日本の高度経済成長には産業構造の変化という事が一番大きかったのですが、その成長率を異常なまでにしたのは、政府による成長戦略というのも大きかったのです。
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