昭和後半のバブル時代が、日本のピークの終わりを予兆していた

振り返ってみますとよくあんな時代があったもんだと冷静に考えれるものですが、その当時は誰も異常な事とは考えない、時代ってそんなものかもしれませんね。バブル時代はまさにそんな日本が異常だった時代だったと今になれば冷静に考えられます。日本中誰もがバブル景気に沸いていいたような時代でした。いわゆる中流のサラリーマンが何百万、下手すれば1千万以上するゴルフ場の会員権を買うかどうか普通に悩んでいたような時代です。財テクなんて言葉も流行りましたよね。日本国民が全員投資に沸いていたんじゃないかと思えるほどです。

バブルは何だったのかという事についてはいろいろと専門書が出ているので詳しくはそういう専門書を見るべきですが、簡単に説明しますと産業発展・都市化による経済成長が順調で有った日本が今度は投資・投機によってより自分たちの財産を増やしていこうと躍起になったという事でしょうか。今まで一生懸命働いて日本をここまでにしたんだけど、もうこれからは今まで貯めた資本を元手に投資・投機を続けていけば将来安泰だ、というような気分に日本中がなっていたようですね。国中がそうなるにはそれなりの理由も有りました。

まず確かに1980年代、日本は成功をしていました。高度経済成長により経済大国第2位に躍り出て、それを支える日本製造業は、製品的にもメイドインジャパンとしてその高品質が賞賛され、経営的にもジャパンアズナンバーワンとして、その終身雇用制、家族経営的な部分が賞賛され、実績・実力共に確固たる成功を収めたように見えました。しかしその中で今まで外資系企業をあまり入れない保守的な制度を取っていたことが懸念として有ったのですが、それを解禁する動きが有り、企業は危機感を感じました。そしてそれに対抗して自分たちの資本を守っていく為、製造一本では無く多角的な経営もしていかなくてはならないという風潮が生まれていたのです。

一方日本政府は企業に投資する際の金利を低金利に抑え続け、投資を推奨するよな風潮を作り、また東京が今後ますます発展していくような政策も作成していました。そういう背景のもとで、人々はまずは土地に目を付けました。土地が今後値上がりを続けると読んだのです。そうすると今のうちに安く買っとけば、高く売れるという判断になります。また多角化を目指す企業は、例えばゴルフ場建設などレジャー産業などに乗り出し、ますます土地は今後値上がり続けるんじゃないかという気にさせます。つまり土地を始めとした不動産・いろいろな固形資産が今後値上がりをするから今の内に買っとけば得する、という錯覚にみんなが陥ったのです。それがバブルでした。

中流のサラリーマンが何百万もするゴルフ場の会員権や、株券の購入について昼飯時に話し合い、すべての中心になっていた東京では怪しい不動産が会社が乱立し、土地転がしの話を毎日していました。全員が羽振りが良くなり、1日の飲み代で何百万使ったていう話も珍しい話では無くなりました。ディスコは若者で連日賑わい、大騒ぎをしていました。学生でもお金を持ってて高級車に乗っていましたし、就職の心配なんてまるで無かったんで、今を楽しむ事、がかっこよかった時代でした。高級クラブではシャンパンに1本何十万の値が付けられ、それでも飛ぶように売れてたんですね。

今考えるとバブルが高度経済成長のピークでした。その後失われた10年と言われる下り坂の時代がやってきます。経済のピークが昭和の終わりで、そこからグローバリズムに飲み込まれる厳しい平成の時代に移り変わっていくのでした。